軽口
(口は災いの元)
これは、私自身に起きた出来事なのに全く記憶がないという不思議な出来事です。
当時、南九州を襲った集中豪雨が明けて間もない日の事です。
私は当時の彼女と泊りがけで遊びに行く約束でした。
出がけに見たニュースで、「○○町で起きた土砂災害で、押し潰された住宅から若い女性の遺体が
見つかった」と報じていました。
待ち合わせ場所から私の車で出発すると、偶然先ほどのニュースの現場前を通りました。
まだ若く思慮の足りない私は、「○○ちゃん(被害者の名前)、死ぬくらいなら一度遊びたかったよ〜」と
軽口をたたいてしまい、「不謹慎なこと言ったらいかんよ!」と彼女に窘められました。
夜遅くにホテルに入りました。
明日の予定もあるので、お風呂を早々にすませて寝ることにしました。
私は明かりがあると眠れない性質なので、朝の日差しを避けるために窓とカーテン
雨戸をきちんと閉めて部屋の灯を全て消してベッドに入りました。
さて、ここからは彼女が語った話です。
> 真夜中に話し声が聞こえて目が覚めました。
> 女性の声が誰かに語りかけているようです。
> 内容までは聞き取れませんが、ハッキリと声は分かります。
> そのうちにとなりに寝ている彼が声に合わせるかのようにしゃべり出しました。
> 背を向けて寝ている彼が、まるでそこにいる誰かと会話しているように振舞っているのです!
> あまりの恐ろしさに振り返って確かめることもできませんでした。
> 私は身を固く強張らせたまま朝を迎えました。
> 目覚めた彼に夕べの出来事を聞いてみましたが、何も覚えていません。
> 夢すら見ていないようです。
> ふと、差し込む日差しに気づいた時、恐怖に凍りつきました。
> 閉めていたはずの窓と雨戸が20センチほど開いているのです!!
> 彼も言葉をなくしていました。
だそうです(笑)
ほんとに何も覚えてないし、彼女が夢見てたんじゃないかと疑ってましたが
絶対に聞いたと言います。
窓も開いてたし・・・
何れにせよ、死者を冒涜するような言動は慎むべきだと思いました。
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